初めて学ぶ文化人類学(1)

このブログはミネルヴァ書房出版の「はじめて学ぶ文化人類学」からとったものです。

本章の作者は 岸上伸啓 です。

はじめに

 文化(社会)人類学もしくは民俗学とは、フィールドワーク(現地調査)によって世界各地の文化や社会を調査・研究し、最終的には人間とは何かを探求する学問である。フィールドワークの成果として特定の文化や社会の人々の生活や活動を記述したのものを民族誌と呼ぶ。民族誌の起源は紀元前5世紀のヘロドトスにまで遡ると言われているが、学問としての文化人類学の始まりは、「文化(Culture)」という概念を初めて体系的に定義したE.B.タイラーの研究とするのが定説である。タイラーが活躍した19世紀後半から数えると、その歴史はすでに150年近い。

 本書の目的は、この150年あまりの間に文化人類学がどのような展開を遂げてきたかについて、主要な研究者の経歴や研究活動、研究内容・著作、基本概念に焦点をあてながら、「文化人類学の形成期」(1880〜1940年代)、「展開期」(1950〜80年代半ば)、「文化人類学への批判と新たな展開の時期」(1980年代半ば以降)の3期に大別して、できる限り平易に紹介することである。また、大量的な日本人研究者についてもコラムで紹介する。

 19世紀後半の欧米社会では、人類の文化や社会は一方向に進歩するとした一系進化論が中心的な見方であったが、それは20世紀前後にドイツ・オーストリアで発展した伝播論に取って代わられていった。一方、アメリカにおいてはヨーロッパとは違った人類学の展開が見られた。

 アメリカでは20世紀初頭から半ばにかけてF.ボアズの影響の下、歴史的個別主義が勢力をもった。この流れは、R.ベネディクトらに代表される文化の様式論や文化相対主義へと展開する。その後、さらにD.シュナイダーやC.ギアツに代表される象徴人類学や解釈人類学を生み出すことになる。アメリカでは、文化人類学という学問名称が定着した。このボアズに端を発する文化人類学は継続するものの、1940年代から法則定立的な立場に立ち、文化進化に関心を持つL.ホワイトやJ.スチュワードの影響力が拡大した。1960年代に入るとこの新たな文化進化論は収束するが、その流れをくむ生態人類学が飛躍を遂げることになる。

 イギリスでは、1920年代にB.マリノフスキーやA.ラドクリフ=ブラウンに代表される機能主義人類学が出現した。機能主義人類学は、進化論や伝播論を憶測による人類史の再構成にすぎないとして退け、フィールドワークに基づくより科学的理論志向の強い研究を定番化させた。この伝統は1950年代まで続く。イギリスではアメリカと異なり、この分野の名称として社会人類学が定着した。その後は、ラグクリフ=ブラウンのオックスフォード大学社会人類学教授の後任であるエヴァンズ=プリチャードが社会の科学(説明)から人文学(解釈)への変更を宣言したため、社会人類学の目的は大きく代わり、アフリカや南アジア、オセアニアなど様々な文化や社会の象徴や分類、儀礼に関する研究が花を開く。

 フランスでは、M.モースやE.デュルケーム、K.マルクスの影響の下、独自の人類学が形成される。その1つが1950〜70年代にかけて大きな影響力を持ったC.レヴィ=ストロース構造主義人類学であった。1980年代以降はそれを批判的に継承したM.ゴドリエに代表されるマルクス主義人類学とP.プルデューに代表される実践理論が影響力を持った。さらにD.スペルベルに代表される象徴研究も出現した。この3つの流れは今世紀に入っても継続している。

 1980年代に入ると、文化人類学界の中で自己批判の動きが高まり、それまでの文化人類学に大きな転換を迫った。特に、調査者と被調査者との間に潜在する権力関係や他者表象のあり方などの問題が指摘された。その中で大きな役割を果たしたのが、J.クリフォードらの『文化を書く』(1986)の出版であった。同書によって人類学者による俯瞰的で客観的な他者表象には限界があることが明らかにされ、1980年代末から文化人類学の低迷、模索の時代が始まった。そして現在に至るまで、文化人類学は多様化の一途を歩み続けている。

 アメリカでは、実験的民族誌の試みやマルチサイト人類学などが提案される一方で、ジェンダーエスニシティ、実践コミュニティ、医療、経済社会開発、環境問題、グローバル化を研究対象とした多様な人類学が展開し始めた。

 イギリスでは、1980年代以降、モノと人の関係性に着目した研究が流行し、A.ジェル、D.ミラー、M.ストラザーンやT.インゴールドらによって新たな研究の流れが出現した。これらは存在論的人類学の先駆けでもある。

 フランスでは、B.ラトゥールに代表される科学技術研究や、P.デスコラによって自然と人に関する生態人類学的研究が行われた。同様の動きはブラジルのE.ヴィヴィイロス・デ・ガストロによるヒトと動物の関係について独自の視点を打ち出したアメリカ先住民研究や、オランダのA.モルによる医療人類学研究にも認められる。彼らの研究は「存在論的人類学」と総称されている。

 なお、本書においては文化人類学社会人類学民俗学は、力点をそれぞれ文化、社会、民族に置くという違いはあるが、その内容はほぼ同じである。また、アメリカ流の文化人類学は、人間の様々な生活様式を記述する民族誌とそれらを比較し、理論化する民族学とから構成されていることを付言しておく。

 この約150年の間に文化人類学は多様化し、様々な見解や仮説が生み出されてきた。これまで、研究者に焦点に当て、文化人類学を紹介した書籍として蒲生正男編『現代文化人類学のエッセンスーー文化人類学理論の歴史と展開』(ペリカン社、1978年)や綾部恒雄編『文化人類学群像1〜3』(アカデミア出版会、1985・1988・1988年)がある。これらは、主に学問的評価が定まった過去の文化人類学者を紹介する点に特色がある、文化人類学の基礎を学ぶには有用な参考書的な入門書であった。しかし、最後の巻が出版されてから約30年近い歳月がたち、文化人類学では新しい研究が出現するとともに、テーマや対象、研究方法がさらに多様化した。編者はこのような状況をかんがみて、最新の研究をも含めた、文化人類学者の研究を紹介する書籍が必要であると考えていた。絶妙のタイミングでミネルヴァ書房からそのような書籍の出版提案があったので、自らの能力の限界を顧みず、大胆にも編者の仕事をお引き受けすることにした。

 本書を通して1人でも多くの方が文化人類学に関心をもっていただけるならば、編者としては望外の喜びである。最後に、本書に寄稿してくれた全ての執筆者の皆様と編集者の前田有美さんに心からお礼を申し上げたい。

 

2018年1月

岸上伸啓

摄食障碍恢复答疑:我怎么知道我还想吃更多?

这篇文章是Tabatha Farrar博文的译文

题为:Eating Disorder Recovery Questions: How do I know if I want more food?

原文在此:https://tabithafarrar.com/2019/04/eating-disorder-recovery-questions-how-do-i-know-if-i-want-more-food/

 

我怎么知道我还想吃更多?在油管,个人邮件上,还有我的客户都经常问我这个问题。在我自己的恢复过程中,这个问题也常常让我困扰。直到有一天我突然意识到,如果你还想问“我怎么知道我还想吃更多?”,那你就是还想吃更多嘛!

 

我知道这个回答听起来太简单,不真实。但是说真的,多吃点吧。

恢复期中其他的常见问题还有:

“我怎么知道我到底是饿还是情绪化进食?”

“我怎么知道我吃的到底够不够多?”

“我怎么知道什么时候该停?”

“我怎么知道我吃的量正确不正确?”

“我怎么知道我是饿还是习惯性进食?”

吧啦吧啦吧啦。发现问题的共通点了吗?这些问题都是摄食障碍状态中脑子的胡言乱语。本质都是害怕自己吃的太多。

 

首先,我不相信所谓情绪化进食。或者说我想的情绪化进食和一般的定义不一样。营养不良对身体而言是很大的压力。你的身体已经筋疲力竭。所以你当然会很情绪化。我们不会没有情绪,我们的行为在一定程度上都是“情绪性”的。这是正常的,没有问题的。我自己在恢复期就经常“情绪性进食”,毕竟我限制进食那么多年,这种行为是完全合理的。

一般所谓的“情绪化进食”,指人们厌倦了自己的责任和义务,往那儿一坐开始吃吃吃吃一天。我不相信这种情绪化进食,因为它带有贬义,暗示这种行为是肤浅而危险的——但它不是这样的。

们担心他们在压力之下会吃的更多,或吃与平常不一样的食物,觉得这就是所谓“情绪化进食”。但在我看来,在压力下吃更多,或想吃卡路里更高的食物是合理的,而且是我们的本能,而不是什么意志力问题。压力对身体来说也是压力。在压力下,你的身体处于高度紧张状态。压力消耗你的身体。所以吃更多以对抗压力没什么不好。

另外,如果压力是由营养不良引起的,那更应该多吃。吃吧,你需要的。然后你的厌食症脑开始叫:“那要是我养成了情绪化进食的习惯改不过来了怎么办?”歇会儿吧您呐。你限制自己进食到了营养不良的地步,然后终于想通了,才刚吃了几天,就开始担心是不会吃太多?担心这些莫须有的东西是典型的厌食症在作怪。憋想了。专注于当下。现在什么情况?你感觉怎样?你现在在摄食障碍的恢复期。别担心五年之后你面对压力会怎么反应,好吗?

错,这些担心我自己在恢复期时也都有过。我以为我会习惯于情绪化进食。我以为我会习惯每天吃一万卡路里。但不,这些担心都没有成为现实。

为什么?

为我的身体知道自己在做什么。我之所以想吃那么多东西,是因为我真的需要那么多。

 

我怎么知道我还饿呢?

 

如果你有这个疑问,说明你还饿。

摄食障碍恢复期,你会想吃比所谓“正常”的量多很多的食物。这是因为你长期吃的太少。讲道理,你长期吃的少的不正常,现在就会想要吃的多到不正常。

来点正能量:现在我恢复了,不再一天到晚想着吃。我不再感受到心理上的饥饿——除非我确实饿了。比如我吃蛋糕就吃,如果还想吃我就接着吃,如果我不想吃了我就不会再满脑子都是蛋糕。我的思绪跑到其他事情上去。我不会再坐在哪儿发愁。只要我想吃随时可以。我连想都不会想我是不是还饿。因为如果我还想着蛋糕,那我明显还想吃。

过来,我厌食症的时候会花上个20钟说服自己我不想吃蛋糕。但是这还不是在想蛋糕?这也算心理饥饿。

在恢复期,我用来判断自己是不是还想吃的问题是:“如果这个东西热量为0,我会继续吃吗?”

键问题来了!如果你不用担心卡路里,你还吃吗?这么问自己,你就会知道你还想不想吃。

对恢复期的我来说,答案永远是“想”。

现在,我已经恢复了好几年,有一个能量和营养都均衡的身体,我不需要问自己我还想不想吃。如果我饿了我就吃。没有罪恶感,没有对未来的担心。就这么简单。

摂食障害からの回復:心理の柔軟性

この文章はTabatha Farrarのブログから翻訳したものです。

元のタイトルは:Full Recovery: Mental Flexibility

原文はこちら:https://tabithafarrar.com/2018/10/full-recovery-mental-flexibility/

 

摂食障害からの完全な回復は体重の増加以外にもいろんなことを意味する。いくつかのレイヤーで相関するすばらしい心理的な変化ーーやがて摂食障害からの心理的な自由こそが回復の目標である。摂食障害の治療でおうおうにして見過ごされる神経の再構成(neural rewiring)こそ、摂食障害からの心理的自由をえるための大事なものである。「回復」の過程をへても心理的な変化がなかったら、それは回復ではなく、単なる体重の増加でしかない。それもりっぱな結果ですが、、、まだまだ道が長い。

Rehabilitate, Rewire, Recover! 」では栄養状態の回復と神経の再構成についてたくさん書いたもので、ここでは神経の再構成についてまたくどくど書くのはやめる。ここでは、回復中の人に完全な回復(神経の再構成とエネルギー負債からの脱出を前提とする)はどのような心理的状態の違いをもたらすかを少し紹介したい。体重がいくつであろうが摂食障害を患う可能性はある。自然な体重をおさえるような行動をまだとっているうち、摂食障害から回復できているとはいえない。

 

完全な回復はたくさんの心理的変化をもたらす。ここでは「心理の柔軟性」に焦点をあててみたい。

「心理の柔軟性」?

「心理の柔軟性」とは、予定が変わってもメルトダウンしないですむ能力だ。

摂食障害の人では24時間マインドの人が多い。24時間単位でカロリー計算をし、24時間単位で運動量をカウントする。多くの人は毎日を同じように過ごす。同じルーチンをくりかえすことで焦燥感を減らすことができるのだ。自分に「ふさわしい」食事、運動、ルーチンを習得し、それらに遵守することで安心感をえる。食事を制限していると、脳が飢饉がきていると思い込み、生存本能運転に切りかえるからだと思う。脳が環境に脅威を感じると、自分がより安全だと思う行動を習慣的にくりかえすようになる。

この状態が心理的柔軟性の欠如をもたらす。例えば:

電話がなった。とってみると、「タバタ、ママだよ。ロムジーの近くでパパの車が故障してしまって、業者に車庫に戻すように頼んで、今それを待っているところなの。私今日おばあさんに会いにロンドンにきているから車庫まで迎えにいけないんだけど、迎えに行ってあげてくれない?」

この状況だと、迎えに行くのが普通でしょう。でも、摂食障害の真っただ中の私ならテンパってメルトダウンするでしょう。一方で迎えに行くべきだと思いずつ、もう一方で一日の予定が乱れることでパニクるでしょう。もっと嫌なことに、ロムジーまで車を運転して、また家に戻るのは一時間以上かかるーーつまり一時間以上すわっていなければならなく、その「損失」を食事量を減らすことで補わなければならない。そしてお金ーーそこまで運転するとガスも使われる、それは嫌だ。お金を使うことはいつもより多く食べることと同じくらい、もしくはもっとストレスなのだ。

摂食障害のない人にとって、上述の問題はどれも全く問題ないでしょう。私だったらどのように感じるのか味わって見てほしいものだ。摂食障害脳にとっては、いつもより活動量が減るもしくは食事量が増える、お金を使うのはHPA軸総動員のストレス反応だ。脳は時速一億キロでどうすれば問題は解消されるかを考える。お父さんを迎えに行って、なお一日の所定の運動量をこなし、ガス代を稼ぐ(貯金は十分にある。単純に摂食障害脳がお金がないのだと思い込んでいて、使った分を全部稼ごうとする)のにどうすればいいのか。こういうぐるぐる考えは時として耐えられないほどのもので、私はシャットダウンしてしまう。そういうときは、迎えにいけないのだと答えてしまう。とてもおかしいことだーー助けが必要な人がいたらいつだって助けたい。でも人を助けたいという欲望が恐怖にオーバーライドされた。

あるいはがんばったかもしれない。車に乗って、運転中ストレスと焦燥の重圧でふるえる。役目を果したら、明日の朝までこの日予定していた運動をこなし、車で座ってた時間のためにさらに運動をした。

これは全部心理的柔軟性の欠如の表しである。一日の予定の変更は常に非常に高いストレスをともなう。予定を変えなければならない場合、その後数時間私はストレスでダウンしてしまい、またいつもより頑なに予定を維持し、ルーチンを戻そうとする。

誰かに説明することなんてできなかった。コーヒーでも行こうと急に誘ってきた人は断れても特に気にしないだろう。約束なしにうちまできた友達は小走りで隠れているすを使う私を変なやつだと思って関わらないようにしただろう。忙しいから手伝えないと言った私は自分勝手なやつだと思われてきただろう。

本当は急に現れた訪問客に対応できるほどな心理的な柔軟性がなかったのだーーとてもひとりぼっちだと感じているのにも関わらず。本当は自分のやっていることを止めて人のお手伝いをするほどの心理の柔軟性がなかった。本当は毎日繰り返ししてきたルーチン以外のことをするほどの心理の柔軟性がなかった。

回復ーー神経の再構成と栄養状態の回復ーーは脳にリソースは十分手に入れることを教える。脳は徐々にリラックスし始める。いつか呼吸を止めて隠れて居留守を使うより、客人に扉を開けて迎えたいと思えるような日がくる。それが人生がふただび始まったという一つの象徴である。

“一吃就停不下来”和其他关于摄食障碍恢复的担忧

这篇文章是Tabatha Farrar博文的译文。

题为:“If start eating I wont stop and other anorexia recovery worries

原文在此:https://tabithafarrar.com/2018/03/start-eating-wont-stop-anorexia-recovery-worries/

 

在我还患有厌食症时,我的强烈的饥饿感总是让我担忧。在张口吃之前,我可能不会感觉到饿;但是只要我一开始吃,就根本停不下来。当然,我虽然感觉不到身体上的饥饿,心理上却一直处于饥饿状态。但我早就习惯了心理上的饥饿,所以我没有意识到心理饥饿意味着什么(直到我开始依据心理饥饿进食)。开始吃东西时感觉到的那种强烈的身体上的饥饿让我害怕,所以我宁愿一口也不吃——不去摸老虎屁股。

就拿巧克力蛋糕来说吧:去别人生日派对时,我可以看着所有人吃蛋糕,只要我一口也不吃,我就一点也不觉得饿(虽然我心理上还是想吃的)。但是如果我吃上一点儿,我就会想把一整个蛋糕都吃掉。细想一下,其实这是很可以理解的,毕竟我当时处于营养不良的状态。

但在我的厌食症的脑子里,想吃掉一整个蛋糕简直不可理喻。这种想法太可怕了,“正常人”不会这么想。我的饥饿感一点也不正常。想想吧,其他人吃一块,最多两块就够了,而我呢?我想吃无数块,我想吃掉一整个蛋糕,都还觉得不够。我是个无底洞,是吃蛋糕的机器。

所以呢,与其吃一块蛋糕,然后被想吃更多的想法折磨,我宁愿不吃。这样问题就解决了。不,根本没有。实际上只有吃掉那一整个蛋糕,还有更多更多的食物,允许我缺乏滋养的身体不停的吃吃吃吃,才能真正的解决我的问题(营养不良)。在我营养不良时,这才是合理的做法,才是最终答案。

想象一下我可怜的,缺乏营养的,不知如何是好的大脑以为我处于饥荒之中。我体重过低,而且得不到足够的食物,大脑一看,觉得只有环境中的饥荒才能合理的解释这个情况。如果食物短缺,何必浪费能量去制造身体上的饥饿感呢?所以你的身体也就不白费劲了。直到你开始吃东西,你的大脑才开始惊叫:“有食物!我还要!!”如果你的体重过低,或者你限制自己的食物摄取,过量运动,能量赤字,营养不良,等等等等,大脑有这种想吃光一切的反应都是完全合理的。

但你的厌食症脑子却说:“你看吧!你又暴饮暴食。 不能让你看见吃的。不准吃好吃的。放着你不管肯定要大吃特吃。干脆啥也别吃了。”

别理他,你营养不良呢,你的大脑当然只想吃吃吃。

听我说,营养不良是不正常的。所以你的胃口也不正常。吃很多很多东西——多到不正常——是哺乳动物摆脱营养不良的方式。你想吃掉整个厨房是正常的。

厌食症时,还有一件事总让我担忧(因为厌食症会让你整天忧心忡忡):

那要是我体重正常了,我的身体会知道我不需要整天吃吃吃吗?

班门弄斧!我说,你的身体知道自己在做什么,你不需要管头管脚。

你的身体知道自己体重过低,所以它试着让你做出相应的合理反应——吃吃吃。当然前提是你自己别挡道。当你的身体觉得自己体重恢复了,它不会再觉得它得“逼”你吃掉家里库存。你的身体只想自己健康。它知道自己在做什么。

当我的营养恢复后,我想吃掉一整个蛋糕的欲望也消解了。现在的我根本想也不会想吃掉一整个蛋糕。但是当我还在恢复期时我吃了很多次。

给你的身体!别打岔。

厌食症,暴食症恢复指南——我需要多少卡路里?

这篇博文翻译自The Eating Disorder Institute

作者为 

译文省略了原文注释及链接

原文在此:https://edinstitute.org/blog/2011/9/14/i-need-how-many-calories#

 

 

对于普通成年人来说,每天2000卡路里是不足以维持他/她的健康,体重,和生活质量的。没错,2000卡路里太少了!如果你还不到25岁,那2000卡路里更是远远不够。

到底是怎么回事呢……

 

引言

这篇博文原本的标题是“我需要2500卡路里吗?”。这篇博文被很多其他网站引用,所以很多人是看到这篇文章才了解到我们网站。现在我们网站上对于摄食障碍恢复更新更全的请看这一篇——Homeodynamic Recovery Method, Doubly-Labeled Water Method Trials and Temperament-Based Treatment

摄食障碍

很多读者可能之前都没有听说过什么叫“摄食障碍”。摄食障碍不单单包含大家熟知的“厌食症”,还包括:“限制/应激反应循环发生”(restriction/reactive eating cycles),“神经性贪食症”或“暴食症”(bulimia),“限制食物种类”(orthorexia),“运动型厌食症”(anorexia athletica)等等。

精神障碍诊断与统计手册(DSM-IV——现在已经更新到第5版——把摄食障碍分成上述类别,但从神经学上来讲它们的病理没什么不同。所以病患常同时表现出多种摄食障碍的症状,或者随着病程进展在这些摄食障碍之间摇摆不定

摄食障碍症候群范围广泛,我国(美国)有接近三分之一的人口都或多或少有一些症状。摄食障碍是一种持续一生的慢性疾病,它有两种状态:活跃或不活跃。

摄食障碍不能被“治愈”,但是你可以永久的让它处于“不活跃”的状态。

说有接近三分之一的人口患有摄食障碍可能让人难以置信,不过我指的的整个“摄食障碍症候群”,而不单指严重的患者。

摄食障碍是一种遗传疾病,基因被激活后才会显示出疾病的症状。常见的导致基因被激活的原因包括减肥,或限制热量的摄入等等。另外,身体上的疾病,心理创伤或其他压力源都有可能导致摄食障碍。

摄食障碍发病的平均年龄大概在11岁左右。儿童时期挑食或肠胃不适也可能引发青年/成年时的摄食障碍。

摄食障碍各种症状:都是食物惹的祸

大部人可能单纯的以为摄食障碍就是厌食症,而且他们对厌食症也有许多误解。

目前对摄食障碍症候群最好的定义,是患病者错把食物认为是危险的

Walter Kaye, Janice Russell等人发表的研究表明,患病者大脑的杏仁核(情感中枢,处理环境中的威胁,恐惧等)和其他部位显示出异常的反应。

关于摄食障碍和基因的联系,请看这篇博文: The Genetic Superpowers: Another Way to Frame Eating Disorders?

对于危险,我们的第一反应是回避 

这个回避反应在危险确实存在的时候——比如近处有猎食者伺机而动——对人类的生存是至关重要的。

但当大脑错把食物认成威胁,当事人就会面临两个重大问题:

  1. 逻辑思考的大脑不能理解食物=险的感觉或情感
  2. 食物对于生存不可或缺,我们不可能完全回避食物

不能合理的解释为什么我们会惧怕食物,所以它会努力在周围的环境中寻找理由。现代社会中,最合理的解释是食物会让我们发胖,或者会损害我们的健康。而几百年前的合理解释则是,食物只是肉体的食量,而想要在精神上达到超越的境界或接近上帝就必须回避食物。

们可以根据环境不同,而对对食物的感情作出各种有局限但合乎逻辑的解释,但这并不反过来说明对食物的恐惧就是由环境造成的。如果一个人不携带相应基因,就算社会再怎么强调骨感美,他/她也不会患上摄食障碍。

另一方面,因为我们的社会歧视肥胖,以瘦为美,那些携带摄食障碍基因的人有更大的几率会患上摄食障碍。因为他们更有可能会为了迎合社会审美而减肥,造成热量缺口。食物对于他们来说成为威胁。

大部分患有摄食障碍的人,并没有意识到他们面对食物时的心理活动和一些行为,其实来自于自己生理上本能的不适。

当杏仁核收到来自环境的信息并认为有危险存在时,它会产生一系列生理反应让我们感觉不适,导致我们想要远离那些被我们视为威胁的刺激物。

食物惹了哪些祸

如果你一直不吃东西会怎样?

想要回避食物的欲望和想要生存的欲望会起冲突

 让我们来看看摄食障碍的各种病症表现为何:

厌食症(Anorexia Nervosa

厌食症——限制食物摄入——是所有摄食障碍症状中最为人知的一种。病患也不是什么都不吃,但是他/总是处于极度饥饿的状态。他们会想尽办法让自己分心或者忙于各种事物来减少食物摄入。他们的“想尽办法”对他们来说不是一种选择,而是由于进食带给他们极大的痛苦而引发的一种本能的反应。

限制/应激反应循环发生(restriction/reactive eating cycles

这个病症导致病患一直等到饥饿难耐不受控制才进食。他/她甚至会创造出一系列“仪式”规定自己在怎样的情况下才可以进食,以减少进食行为带来的恐惧反应。这种限制和应激反应的循环往往最终会发展为神经性贪食症(bulimia nervosa——患病者进食后为了消除恐惧反应强迫性的采取补偿行为,例如滥用利尿剂,泻药或呕吐。

关于这个病症,详见

Binge Eating Disorder and Night Eating Syndrome

Binges Are Not Binges

上面已经讲过,很少有人只患一种摄食障碍。病患通常在几种症状之间来回摇摆或者同时患多种摄食障碍。

限制食物种类(Orthorexia Nervosa

限制食物种类的病症和强迫症很像,病患靠某种行为来减轻自己的恐惧。病患只吃“干净的”或者“健康的”的食物,只要在“对的时间”,“适量”吃“对的食物”,食物对他们来说就不是一种威胁。

关于这种病症,详见

Orthoresxia I: Women Laughing Alone with Salad

Orthorexia II: Doubt & Certainty

运动型厌食症(Anorexia Athletica

运动型厌食症也是一种常见的为减轻进食恐惧而发展出的症状。只要病患能“消耗”或“燃烧”掉吃进去的热量,食物就不再是一种威胁。

关于这种病症,详见

Exercise as a way to restrict? You bet

Exercise II: Insidious Activity

Exercise III: Athletes the Picture of Health

功能性下丘脑性闭经(functional hypothalamic amenorrhea),也叫女运动员三联征(Female Athlete Triad),指因为热量摄入不足或进食时间问题导致女性闭经,月经不调和骨密度降低。这些症状都是运动型厌食症导致的。所以治疗女运动员三联征的方法和运动型厌食症或其他任何一种摄食障碍基本相同。

关于女运动员三联征和不孕,详见

Reproductive Health I: Fertility and Pregnancy

Reproductive Health II: Kids or Not, It's Still Important

你可以参照Telltale Dozen的博文Phases of Recovery from an Eating Disorder里提到的症状来分辨你是否患有摄食障碍。不过既然你已经读到这里,说明你其实自己也觉得自己和食物,运动和健康的关系是有点问题的。

很多读者可能已经驾轻就熟,自己试过治疗摄食障碍好多次,或者去医院看过,甚至住过院。

过你们会来读这篇文章(多半是从其他网站的链接来的吧),说明你们听谁说过想增加体重,恢复健康,或者“治疗”摄食障碍(不管你现在患的是哪一种),你需要非常非常多的热量。

 

重要声明

对于任何尝试治疗摄食障碍的行为,专业人士的监控都非常重要

如果你每天只摄入1000或者更少的卡路里,或者曾经滥用利尿剂,泻药或者呕吐,你需要一点一点的逐渐增加摄取热量直到达到指南根据你的年龄/身高/性别所规定的热量。一般来说,每23天增加200250卡路里,到每天能够稳定摄入2000卡路里时,可以直接增加到指南建议的摄取热量值(一般来说在2500-3500卡路里之间,取决于你的年龄/性别/身高)。注意逐渐增加摄取热量并不能降低患再摄食综合征(refeeding syndrome)的风险。

人在饥饿状态下可能存在电解质紊乱的情况,所以增加能量摄入有一定的风险。再摄食综合症只有在治疗初期才有可能出现,它虽然有致命危险,但是只要治疗及时完全可控可治。

如果在恢复初期你有头晕,发烧,呕吐,手脚严重水肿,发冷或出汗严重的症状,请立即寻求专业治疗。

另外,这篇博文里关于摄食障碍恢复的指南虽然有其科学依据,但并不是严谨的医学建议。如果你在治疗自己的摄食障碍,也请不要忽略医生等的专业简介。

 

骗你,你每天需要2500-3500卡路里

至今为止我遇到过最多的问题就是“我真的需要那么多卡路里吗???”我总是二话不说直接回答“真的。”不过其实更准确的回答应该是“不对。”因为这个卡路里摄取量是相对于从来没有限制过自己的食物摄取,也从来没有摄入热量过低的人而言的。对于想治疗自己的摄食障碍的人来说,这个2500-3500充其量只能控制住摄食障碍不要变得更加严重而已,对于恢复还远远不够。

之所以那么多人问我这个问题,是因为人们总认为限制食物的时间越短,或者最开始体重越高,需要的热量应该越低,或者和典型的厌食症相比,运动减肥或者有暴饮暴食行为的人“病得更轻”,所以需要的热量应该更少。这些假设都是不对的。

人体的饥饿状态的严重程度确实对恢复的过程有一定影响。但影响并不体现在每日摄取的热量高低,而在于恢复需要多长时间。

可能你知道通常来BMI低于17.5才会被正式诊断为厌食症。但是这个诊断标准是有误导性的。因为现在所谓的健康BMI围(18.5-25)并不意味着一个人只要在这个范围里就是健康的。每个人都有一个不一样的最健康的体重。

我通常是这么解释的:

设有两个身高相同的人,一个的自然的健康体重是BMI30,另外一个是BMI23。如果他们都开始限制热量:

健康BMI30的人减肥到BMI23。她还在所谓的正常BMI围内,所以人人都夸她减肥减得好。

BMI23的人减到BMI17,大家都担心她太瘦了。

这两个人谁得了摄食障碍?他们都得了。

而且从BMI30减到BMI23的人比从23减到17的人减少的体重更多得多。可悲的是只有后者才有可能受到摄食障碍的治疗。

每天至少需要2500卡路里的人:

25岁以上,身高在152.4cm173cm间,无月经,而且/或者

有以下的饥饿症状:感觉冷,疲倦,头脑不清晰,脱发,指甲脆弱,脸色差,而且/或者,

你只是有一点点轻,或者只减肥减了一小段时间。

每天至少需要3000卡路里的人:

25岁以下的女性,身高在152.4173cm间;或者25岁以上男性,身高在162.5183间并且/或者,

无月经,而且/或者,

有以下的饥饿症状:感觉冷,疲倦,头脑不清晰,脱发,指甲脆弱,脸色差,而且/或者,

你只是有一点点轻,或者只减肥减了一小段时间(例如几个月)。

每天至少需要3500卡路里的人:

25岁以下男性,身高在162.5183cm间,或者有小孩并且孩子还小的女性,或者活动水平很高的女性并且/或者,

无月经,并且/或者,

有以下的饥饿症状:感觉冷,疲倦,头脑不清晰,脱发,指甲脆弱,脸色差,而且/或者,

你只是有一点点轻,或者只减肥减了一小段时间(例如几个月)。

例外:

如果你比指南中提到的要高,在上述基础上再加上200卡路里。如果你比指南中提到的要矮,那么你可以在指南的基础上减去200卡路里。但是注意上面的指南都是最低摄取量,所有人都应该在指南的基础上摄入更多的热量。请参考这篇文章 Extreme Hunger: What is it?。另外,如果你体重比平均更重,你也需要比一般人更多热量。

摄食障碍恢复过程中,所有人都应该停止去健身房运动和任何不必要的运动。你摄入的热量都应该用来增加你的体重和修复你的身体。

要是我的体重已经恢复了呢?

问这个问题的人很多都靠每天摄取1800-2200卡的热量,而不是这篇文章推荐的热量增加了他们的体重。

这些人很多还会感觉极度饥饿,或有能量不足带来的症状(感觉冷,疲倦,头发和指甲脆弱,月经不调等)。并且限制卡路里或者消耗卡路里还是他们日常生活中的重要部分。

怎么办呢?你猜对了,至少摄入这篇指南里建议的摄取卡路里,直到体重稳定(没错,体重会稳定的),能量不足的症状消失,月经稳定。

摄食障碍的人因为新陈代谢太慢,即使每天只摄入1600-2200卡路里也可能会增加体重。详见Gaining Weight Despite Calorie Restriction

在恢复过程中,身体会经历以下几个阶段:

  1. 减少其他功能耗能,把能量储存起来用来修复细胞(造成水肿和胀气),剩下的则转换成脂肪(这些脂肪通常集中在腰腹部,用于保护重要的身体器官)
  2. 当身体认为能量摄取稳定后,开始修复一些长期饥饿带来的问题(比如骨密度),开始增加新陈代谢速率,恢复一些生理功能
  3. 续而充足的能量摄取,让身体恢复正常的神经传递功能,新陈代谢恢复正常

们常常卡在第12步,因为当BMI恢复到20以上,人们就觉得他们已经恢复了,并且开始限制热量摄入避免“发胖”。

这样做看起来合乎情理,但是这个想法/倾向是摄食障碍产生的,是不对的。

恢复不等于“反减肥”。减肥的时候,认为造成热量亏空,于是身体只能用储存在脂肪,骨质,肌肉和重要器官中的能量。恢复时,你不仅需要足够的能量来修复脂肪组织,还需要更多能量来修复长期的能量不足带来的各种影响。

如果你能每天坚持吃够指南建议的最低热量(并且更多,因为在恢复时你不能再小心翼翼的限制),你就不会卡在半恢复的状态——半恢复往往导致摄食障碍复发,或者从普通的厌食症转型为限制/应激反应型或限制食物类型,过量运动型的摄食障碍。

不管你处于恢复的哪一个阶段,你都可以开始摄入指南推荐的最低热量。

如果你的体重已经“正常”,但是你还是没有月经,那么增加热量摄入。你不会一直胖下去的。为了恢复你的神经和内分泌系统,提高新陈代谢,你需要更多能量。

当你的体重高到了你自然的体重点,你的新陈代谢也会恢复,你为了增加体重和修复机体而摄入的那些“多余”的热量会被用于日常的活动——你开始减肥之前的那些活动。

摄取指南推荐的最低卡路里或者更多,你的体重会增加。然后则会在你的自然体重点周围上下浮动。没想到吧,但是时真的。

 

一些事

很多读者大概都读过一些广为流传的报道,说我们现在摄入的热量比我们自己想的要多3分之1这些报道最后总是总结说所以我们越来越“肥胖”(此处有恐怖音效)。

关于吃多少,我们没说实话

在大部分健康调查中,成年女性自我汇报每天平均摄取2000卡以下,而成年男性则称自己每天摄取热量在2500左右。

然而,在实验室环境内监测热量摄取时,测出的摄取量比靠食物日记或者自我汇报统计的摄取量高出百分之二十五至百分之三十左右。

几十年来,营养学领域的热量摄取的统计主要依据统计对象的自我汇报。近年来,双同位素水测量法(doubly-labeled water method)被证明可以在实验室外有效测量对象的能量消耗。这个测量法可以验证自我汇报的热量摄取的精确度。已有九项研究采取了这个方法,研究证明自我汇报的热量摄取是不准确的。自我汇报的热量摄入通常低于测试所得的能量消耗,说明人们倾向于低估自己的热量摄取。摄取的热量越多,实际摄取和自我汇报的值相差越大,所以我们可以推测人们的自我汇报不自觉地向一般认为的普通人的热量摄取靠拢。

社会一般认可的热量摄取高低会影响人们回答问卷时自我汇报的热量摄取。影响的大小则和被调查者的受教育程度有关。

为期7天和14天的实验中,对象的自我汇报的热量摄取和实际热量摄取水平的偏差的分布都很随机。而很多研究者却会把实验对象分类按减肥失败者/肥胖者/标准体重者这样分类。这种分类让实验数据变得不可靠,因为文化偏见使人们普遍认为肥胖者更容易汇报的比实际摄取的低——这样的偏见是经不起科学检验的。而且,如JR Hebert和他的同事强调的一样,这样的分类忽略了其他变量——比如像以瘦为美的社会常规常常会给人更强的动机,使被试验者汇报的热量摄取更低。

论性别,被试验者汇报的热量摄取比实际摄取要低2%58%。另一方面,唯一一个只以女性为实验对象的实验,选取了一组有减肥历史的女性和另外一组没有减肥历史且体重稳定的女性。结果显示,没有减肥历史的女性每天摄取2400卡路里,而有减肥史的女性每天摄取醢不到2000卡。虽然这个实验不大,但它是唯一一个有没有减肥史的对照组的实验。

JR Hebert和他的同事对这些实验的评估表示,一般人平均比他们自己心里想的(或者汇报的)要多摄取25%热量。大部分女性汇报说自己每天摄入差不多2000卡路里,照这个平均值计算,她们每天实际摄入2500卡路里来保持健康和维持体重。

但是,我们吃的比我们自己评估的要多,和社会的“肥胖”问题没有联系。它只说明我们实际的热量摄取使我们保持自然的健康体重。

低于25岁的人

还想提到一个令人担心的事实——青少年和年轻人的能量消耗和实际能量摄取是有性别差异的。

在一个成为通行全世界的卡路里摄取标准的基石的卡路里摄取调查中,12-25岁的年轻女孩汇报自己每日摄取2000卡路里,而同年龄段的男孩则汇报自己每天摄取2800卡路里。

这个年龄段,男生和女生的发育虽然不同但同样更需要能量,为什么女生的自我汇报的卡路里摄取量和成年女性一模一样,而男生的却比成年男性的要高出300卡路里呢?

更令人担忧的是,目前还没有实验采用双同位素水测量法(doubly-labeled water method)来测算一个发育期的女孩究竟每天需要多少热量。所以你会发现卡路里摄取指南上说年轻女孩应该摄取2000卡路里——就因为以自我汇报为基础的统计调查表明年轻女孩吃这么多。

让人后怕的是一半以上的发育期女孩摄取的热量都不足以维持她们的健康和活力。她们吃的太少了,不足以让她们自我感觉活着看上去有活力。而四分之一的女孩——饥饿的四分之一——临的健康风险最大。

由于这部分研究的缺失,我们只能根据关于发育期男孩和成年男性的自我汇报和实际摄取的偏差研究数据推测,为了维持健康和保持体重,25岁以下的年轻女性每天实际需要的热量在28003000卡路里之间。

这也暗示25岁以下的非减肥者的年轻女性自我汇报的热量摄取比实际摄取至少要低30%,而那些减肥的25岁以下的年轻女性摄取的热量比她们的健康和成长所需要的热量还要低30%

我们实际吃多少

现在我们知道我们很难搞清楚谁吃的“正常”,谁能代表“正常”吃饭了。

以下是一些仅有的我们能确定的事实:

25岁以上的成年女性每天需要的热量大于2000卡路里。25岁以上的成年男性每天需要的热量大于2500卡路里。

任何推荐卡路里摄入量的指南都基于自我汇报式的统计调查和全国调查。

实验室内进行的双同位素水测量法(doubly-labeled water method)研究表明这些基于自我汇报的统计调查和全国调查都是不准确的。这些调查所得的值往往比实际摄入要低25%30%

过我们也要知道有一类人从来不会低估他们的食物摄入:

摄食障碍患者往往极大的高估他们的进食量,摄取的卡路里和脂肪量,同时他们还会极大的高估他们的进食量对体重增加的影响。

 

所以这跟摄食障碍恢复指南有什么关系呢?

指南只不过要求想治疗摄食障碍的人吃的和普通的不减肥的人一样多,而不是像不减肥的人自称的那样少。

只有不限制自己的能量摄取,你才能开始恢复。你的能量摄取一辈子都不能低。就算你吃的比指南的最低卡路里还要多很多,你也有可能会有一段的时间处于极度饥饿的状态(详见Extreme Hunger 1: What Is It?)。这是因为你需要增重,你的身体也需要修复。等你恢复了,极度饥饿自然也会消失。但是你再也不能限制你的热量。

如果你想要读到更多关于最低恢复热量的问题或关于这个问题的更多的研究,请见这篇博文Homeodynamic Recovery Method, Doubly-Labeled Water Method Trials and Temperament-Based Treatment

「摂食障害かも?」と思う人のためのノー・ナンセンス・ガイド

この文章は以下のサイトを翻訳したもので、作者はBさんというかたです。翻訳はBさんの許可をえて貼り出しています。

https://sites.google.com/view/the-no-nonsense-guide/guide

 

はじめに

このガイドは、運動アディクション·食事制限の度が過ぎているのではないかと困っている方のためのものです。自分はそうであるかどうかはっきりわからないばあい、下の「摂食障害の症状」のところを読んでみてください。

なお、ここに書かれているものは、医学的·法律的·経済的なアドバイスではありません。ぼくはあくまで普通のネットユーザのひとりです。もし摂食障害のため危険な状態にあるのであれば、専門的な治療を一刻もはやくうけてください。

このトピックについて私の意見をもっと知りたいかたは、こちらのブログをご覧くさい。

また、私への連絡は、info@nononsenseguide.netにお願いします。

 

摂食障害の症状

食事についてのこだわり

もしあなたは自分の中で、何食べるか·いつ食べるか·どうやって食べるかについて度がすぎるこだわりをもっているのであれば、摂食障害の可能性があります。たとえば:

  • 医学的や道徳的、宗教的な理由がなにもないのにもかからわず、食べ物のグループ(乳製品·グルテンフリー·糖質ゼロなど)を完全に排除する
  • 食事をスキップする
  • 決めた時間でしか食事をとらない
  • ちょっとても多く食べたら、次の食事を減らす
  • ローカロリーの食べ物や飲み物を大量にとって、空腹をおさえる

ぼくは、特に理由もなくベジテタリアン(乳製品·卵以外動物性食品をとらない食生活)をしていました。ランチを食べず、夕方6時までに絶対晩ごはんは食べません。外食するなら、何日も前もってカロリーをコントロールしていました。また、毎日たくさんコーヒーを飲んで食欲をおさえていました。

運動についてのこだわり

食事のほか、特に理由のない過剰な運動やおさえられない運動衝動も、摂食障害の可能性が高いです。ジムのルーチンがきびしかったり、絶対にエレベーターにのらなかったりといったことです。たとえば:

  • きびしい運動のスケジュールをたてて、休みの日を考慮しない
  • 病気や怪我でも、天気が悪くても、サボることを絶対ゆるさない
  • どこに行くにしても歩いて行く、またははわざと遠回りしたりする
  • じっとすわっていることができず、リラックスすることもできない。いつも立っていたり、歩き回したり、そわそわしている
  • 他の人より運動量が多くなければ気がすまない

ぼくのばあい、病気や天気が悪いときでも絶対毎日最低限5マイル(注:約8キロ)を走ったり、少しても多く歩くためにオフィスの近くのスターバックスを素通りして遠くのスターバックスに行ったり、じっと座っていないといけないと思って車に乗るのが大嫌いでした。

その他の摂食障害のあらわし

普通の人でも、食事や運動に気を使って、上記のことがみられるばあいがあります。しかし、複数の症状にこころあたりがあるのであれば、問題ありの可能性が高いでしょう。まだわからないと思っているのであれば、以下の事象がご自身にあてはまるかどうか、考えてみてください。

  • あらゆる基準で体重や体脂肪率が標準以下
  • 空腹の感覚があまりわからない
  • 食べ物に関連すること、例えばスーパーに行く、料理を作る、前に食べたものなどがよく頭の中にある
  • カロリーや体重などの数字がきになる
  • 運動についてのこだわりを他の人にいうのがはずかしい

ぼくの場合、いろんな標準によって低体重であり、お腹がすく感覚がなく、スケジュール通りに食事をとっていました。また、OCD強迫症)のような変な運動についてのこだわりがあり(毎日前の日より階段をのぼる段数が多くなければ気がすまない)、自分のキッチンに入っている全てのもののカロリーを熟知していました。

上記の症状が一つでもあてはまり、また食事や運動について過剰なこだわりをもっているのであれば、あなたは多分摂食障害です。性別や運動能力、BMI指数がいくつなのかとかは、摂食障害であるかどうかとは全く関係ありません。

 

摂食障害の誘因

ラッキーなことに、どうして摂食障害になったかはあまり大事ではなく、障害の原因がわからなくても、なおすことはできます。それについては、「摂食障害の回復」のところをみてください。

飢餓反応

一般的に、摂食障害は精神的な理由ー痩せたい·主体性をにぎりたい·過去のトラウマや虐待から自分をまもりたいなどーでひきおこされると思われています。この認識はわるくいえばまったくの見当違いであって、よく言っても不十分です。

もっと事実に近い解釈はこうです:食事を制限する行為や運動したいというおさえきれない欲望は、飢餓反応が暴走した結果です。実験によれば、上でならべた異常な心理状態と行為は、すべて実験室で人為的につくりあげることもできます(動物でさえその対象です)。一部の人間には、ある条件のもとで「食事制限·活動の促進」という本能が触発されることが示唆されています。

体重の変化もないのに、なぜ脳は自分は飢餓状態におちいたと認識するのでしょう?その理由としてもっとも可能性が高そうなのが、「体脂肪セットポイント」理論でーー脳は人体の体脂肪率を一定だと認識していて、もしなんらかの理由で体脂肪率が減ったりしたら、飢餓状態だと認定するようになっています。

多くの人の脳は飢餓状態では「食べ物を増やす·活動量を減らす」モードにはいります。つまり。その人たちは飢餓状態におちいたらたくさん食べて、たくさんやすむようになります。一方で、一部の人の脳では「食べ物を減らす·活動量を増やす」モードになります。この一部の人が摂食障害になる可能性にさらされます。

生物学的な解釈

「食べ物を減らす·活動量を増やす」モードの存在について一つの有力な説によると、一部の人の脳では、飢餓状態を正しく察知できても、ホルモンがそれにふさわしいうごきができなくなっています。食欲と満腹感覚を制御するホルモンが複数存在しますが、一部の人にとって、体脂肪が減るとそれらのホルモンをうまくつくることができなくなるようです。

もう一つの説は、「食べ物を減らす·活動量を増やす」反応は生物進化の結果だと主張します。環境の中の食べ物が少ないと、人間の「マイグレーション本能」が触発され、「ここにはもう食べ物がないから、エネルギーを温存してほかの土地に行こう」というものです。

生物学の学説は、摂食障害からの回復とほとんど関係ないので、さらにならべません。かんじんなのは、摂食障害脳は飢餓モードになっていて、それが過度な食事制限と運動したい衝動の原因と知ることです。飢餓状態からの脱出を目指しましょう。

その他の理由

ほかにゆがんだボディーイメージをもっていたり、過去に虐待やトラウマなど問題をかかえているのとしたら、それは摂食障害とわけて治療なりなんなりをすすめるべきでしょう。その前に、飢餓反応をなんとかすべきです。そうしたらほかの問題も今より対処しやすくなります。

 

摂食障害からの回復

いい知らせとしては、摂食障害をなおす方法は単純明快です。飢餓反応をオンからオフにするために、

  • 食事量を増やす
  • 運動量(日常生活レベルの動きも含めて)を減らす
  • 体重(体脂肪)を増やす

ことをすればいいのです。

一方でわるい知らせとしては、これを実行するのはとてもとてもむずかしいことです。普通の人なら、「もっと食べて、動かないで、体重を増やす???そんなの余裕じゃん???」というかもしれませんが、普通の人の脳は飢餓反応で暴走したりしていませんので、無視しましょう。

回復と恐怖心

食事を増やす、運動を減らす、体重を増やすことをがんばることをとても恐ろしく感じるでしょう。脳は、「飢餓状態ですよ~エネルギー温存しなきゃ」とあなたを説得しようとしているのです。それと逆な行動を取ろうとすることはとてもまちがってると感じるでしょう。

でもさいわいなことに、(1)恐怖心にうちかつ(2)体重を必要なだけ増やす、という順番でやらなくてもいいのです。むしろ、(1)体重を必要なだけ増やす->そしたら自然と(2)恐怖心がおさまる、ようになっています。

この気づきがぼくの回復のキーとなりました。とても大切なことなのでもう一度いいます。セラピストやカウンセラーの治療をうけるとしたら、食べ物や運動についてのこだわりを超えるように、何年もついやされてしまうでしょう。順番が逆です。飢餓反応をなおすことで恐怖にうちかてます。

今自分のできることで恐怖をやわらいてみましょう。ぼくは、お腹をすかせないことを1年だけがんばって、それでも嫌だったらもとの自分ルールにもどればいいと思うようにしていました。もちろん、1年じゃなくてもいいんですが。

回復と体重

どれぐらい体重を増やせばいいのでしょう?その答えは、あなたの精神状態の変化の中にあります。体重が増えるのにつれ、食事を制限する欲望がおさまってきます。ちゃんとした時間でおなかがすくようになって、おなかが空いたら何かを食べることに対しての抵抗もなくなり、また、昔の自分ルールが理解しがたくなってきたら、もう回復も近いでしょう。

実験によれば、食事を制限する欲望が消える時の体重は、「安定時」の体重よりすこし高い(もちろん、その体重も人それぞれです)と言われています。このちょっと高めの体重をすこしの間(最低限12ヶ月間)維持すべきです。そうしたら、何もしなくても体重が「安定時」体重に落ちつきます。

例えば、体重が65キロまで増えた時、制限しようとする欲望がおさまったとします。その体重で一年間いたら、ダイエットなどしなくても、徐々に体重が56キロまでに落ちるかもしれません。食事の摂取量や運動量で、体が自然に調整しているのです。

体重が変化する時に、意識的に体重をコントロールしようとしてはいけません。そうすることは摂食障害をまたひきおこすだけです。また、増やさなければならないのは体脂肪で、脂肪じゃなくて筋肉をつけても問題は解決しません。ダイエットなどして回復したての体重を落とそうとしないでくださいー摂食障害がもっと強くなってまき戻ってきますから。

回復と食事

回復期間中に何を食べたらいいですか?正直体重さえ増やせればなんでもいいのです。本当です。それがいちばん大事なことです。食べる量が足りなくて体重が増えないままでいるのは、障害を長引かせるだけです。

ドーナッツやポテトチップスをたらふく食べることと、栄養士が設計してくれた「健康的」な体重増加のためのプランがまったく同じだといいませんが、ジャンクフードを食べることと体重が増えないことの二択なら、ジャンクフードを食べてもかまいません。短期的にジャンクフードを大量に食べるのは、長期的な飢餓状態より健康にいいのです。

自力で食事への過度なこだわりを超えることができるのなら、超えてください。

できないのならできないなりに、今日は自分の中で食べてもいいと許したものを許せる限り食べて、明日からまた自分を縛る食事のルールを超えることを挑戦してみてください。ハードルは日に日に低くなってきます。目標はなんの制限や心配もなく食べることです。脳に「飢饉なんてこないよ」と教えこまないといけません。

医学的·道徳的な理由もなく食事制限をしているのであれば、ちょっと今はやめてみてほしいです。いつかまた制限したくなったら制限すればいいのです。グルテンアレルギーじゃなければ、グルテンをとってください。癲癇患者でなければ、ケトンに入る必要はありません。もしお肉を食べるのに罪悪感を感じるのなら、すこしの間だけ我慢してほしいです。飢餓反応はこれらの食事制限を利用して、自分を正当化しようとします。飢餓反応に手札をこれ以上あたえないでほしいです。普通の人向けのダイエットは、飢餓反応で脳をおかされている人には通用しません。

回復期間中、非常に強い空腹を感じ、食べすぎる人もたくさんいるでしょう。大丈夫です。それは制限することへの逆戻りの口実にはなりません。また、強い空腹や暴飲暴食することは、飢餓実験でもくりかえしみられています。飢餓状態からぬけたしたら自然と消えていきます。

回復と運動

回復期間中に運動してもいいでしょうか?よほどの理由がなければ、やめたほうがいいかもしれません。

体育推薦入学の学生で、運動することに奨学金がかかっている人なら、しかたないので運動してもいいのですが、前より運動量をうんと減らしてみてください。

「健康のため」に運動しているのなら、すこしの間休んでください。回復したあと運動を再開すればいいのです。短期的な座りっぱなし生活は、長期的な飢餓状態より健康的です。

運動についてのこだわりをやり続けることは回復の妨げになります。もし昨日運動するのを我慢できなかったら、今日の運動量を減らしましょう。くりかえしますが、運動しなくてはならないという焦燥感も体重の増加につれやわらぐでしょう。

強迫行為(OCD

運動の習慣が強迫行為に近いばあい、それらの行為を完全に止めるようにがんばらなければならない。これらの行為は摂食障害を再発させる可能性が高いからです。

ぼくは何かの運動や活動をしようとする時、このテンプレートを使うようにしています:

「〇〇分後戻ってきます。〇〇ため、〇〇をしてきます。」

もしとても大きいな声でいえない内容になっていたら、その〇〇をしようとするのを我慢したほうがいいでしょう。例えば、

10分後戻ってきます。犬がねだっているのため、犬の散歩をしてきます。」:OK

30分後戻ってきます。午後雨になるため、雑草をきれいにしてきます。」:OK

15分後戻ってきます。さっき除雪したのにまた1ミリもつもったため、車道の除雪をしてきます。」:ダメ!

2分後戻ってきます。昨日と同じくらいの階段を登らなければならないため、階段登りをしてきます。」:ヤメて!!!

これらの習慣はとても狡猾なので、気をてけてください。エレベーターに乗るのはなんとなく間違っているように思っていつも階段から行っているのなら、エレベーターを乗ってみてください。15分以上歩かなければならない場所に行くときは、自転車やバスで行ってください。電話しながら歩き回っているのなら、座ってください。このような習慣を頑なにまもることで回復が長引いてしまいます。

その他

過去の虐待やトラウマ、その他の精神的ストレスが食事の制限と運動衝動をひきおこしているばあい、体重増加の後にそれらの問題にちきんと対処してください。ストレス対策は再発を防ぐはたらきをします。

摂食障害をなおしたように、ほかの問題についても、カウンセラーなどと協力して対処することも大事です。さいわいなことに、飢餓状態から抜け出したあと、それらの問題に対しての対応力も上がります。

 

摂食障害から回復したら

摂食障害から完全に回復したら、今までもっていた食事や運動についての自分ルールが重要性を失い、もはやルールでもなんでもないようにみえてきます。一日中食べ物のことばかり考えることもなくなり、数時間食事を取らなかったら自然とおなかがすくようにもなります。ごはんを食べること、「許されていない」食べ物を口にすること、食事や運動の計画やペースがみだれることなどについて、イライラしたり不安になったりしなくなります。

回復は、体重が十分に増加し、飢餓反応がおわったあとにやってきます。まだ自分の頭が食べ物と運動でいっぱいいっぱいの状態であったら、もうしばらく回復をつづけてみましょう。

摂食障害になる前のことおぼえているかもしれませんがーおわりのないスターベーションからの解放はすばらしいものです!とはいえ、体重が増えたらすべてうまくいくということではないのです。摂食障害による食事や運動への執着は脳にふかくきざまれています。その跡は完全に消えないかもしれないが、すくなくとも回復前よりは無視しやすくなるでしょう。

高めの体重こそ万能薬というわけではありません。体重が増えてもいきなり自分の体が好きになるわけでもないのです。回復前に抱えているほかの問題は、回復しても消えたりしません。自分のみためが気に入らなかったり、仕事内容がいやだったり、摂食障害からの回復はこのような問題もいっしょになおしてくれるわけではありません。

しかしさいわいなことに、飢餓状態から脱け出せば、これらの問題に対処するリソースも増えてきます。論理的にものごとを考えるための時間や、忍耐力、脳のキャパシティーが増えるからです。

ぼくのばあい、数々のばかけた自分ルールから解放されたいという思いだけで摂食障害をなおそうとのりだしました。しかしそれ以上に、回復のプロセスで手に入れずつあるものー家族や友だちとすごす時間と心の余裕ーがぼくの回復の決心をいっそう強いものにしました。

 

よくある質問 

Q. 私の摂食障害は具体的にどういう障害でしょうか?

A.  わかりません。精神疾患の分類は十年ごとに変わるようなものです。このガイドの内容は、現代的な手法をとった専門家の治療のしかたをぼくなりにまとめたものです。

ライフハック:いやな誤解を招きかねないので、自分に精神疾患のレッテルを貼らないほうがいいです。人には「新陳代謝が不調です」といっておきましょう。そのほうが正確ですし。

これから数十年もたてば、摂食障害の治療はうつ病よりな方法ではなく、むしろ1型糖尿病のようにあつかわれる日がくると信じています。つまり、身体症状をひきおこす精神疾患ではなく、精神的な不調をもたらす身体疾患として、治療されることです。

普通の低体重な少女より、アスリートの方がよりよい治療にアクセスできるのが現状です。専門家の治療をもとめるとき、男性のばあい「運動による相対的なエネルギー不足」、女性のばあい「女子選手三主徴症候群」(Female Athlete Triadに話をよせてみてください。

このガイドは主に拒食症の症状についてふれているので、言及していなかった摂食障害の症状もあります。神経性大食症(bulimia)過食性障害(binge eating disorder)などもしかしたらご存知かも知れませんが、流派によればそのほかにも「回避·制限性食物摂取症」「オルトレキシア」「特定不能摂食障害などいろいろの分類法があります。

 

Q. ほかの症状ってなんですか?

A. 摂食障害の症状に目をとおすのはおもしろい体験です。症状は数多く、その中から自分だけだと思っていたくせのようなものもあるかもしれません。意図的にしていると思い込んでいること(あるいは意図的にしているのかもしれませんが)や、かえたくないことなどもあります。

先の質問について「身体醜形障害」にふれませんでした。一般的にそれは「やせてるのに自分はふとってるとかん違えする」というふうに思われているが、実際「体について不安やストレスを感じているが、ほかの人にはその不安が理解できない」と解釈したほうが適切です。飢餓状態が身体醜形障害をひき起すと説明する理論がいくつも存在するが、個人的にそれらの理論はあまり説得力がないと思います。

女性のばあい、無月経も症状の一つとしてよくみられます。体脂肪がおちると生理がとまる女性が多くいます。女性にとっては危険信号の一つですが、男性はその恩恵を受けられません。

エネルギーを「ため込む」傾向は、ほかのところー特にお金の使い方ーに向けられることもあります。お金をぞんざいに扱わないで、借金をさけるなどいい方向にはたらくこともあれば、お金を使うのをもっぱら拒否して、いたっては盗みたいと思うようになるなど、悪い方向にもうごきます。

強迫行為(OCD)ににた症状は比較的に気づきにくいこともあります。たとえば、多く歩くためにスーパーの中でわざと非合理的なルートをとおることや、たつ時間をつくるために食洗機をもっているにもかかわらず入念にお皿を手で洗うこと、ベビーカーを持っていて、あるいは子供はもう歩けるのに、そのこをかかえて歩きまわることなども症状になります。

体重がふえるのにつれ、上述の症状の多くも消えていくでしょう。しかしなかでも強迫行為の解消は比較的に努力がいるものかもしれません。行為を解消して障害の再発を未然にふせぎましょう!

 

Q. 回復できなかったらどうなるの?

A. 長期的な栄養不良にはたくさんのおそろしい弊害があります。それを列挙することもできますが、飢餓反応にハイジャックされた脳にはそんなことはおかまいなしでしょう。脳は短期的なことにしか目を向けられていないからです。先に飢餓反応を解消しましょう。そうしたら回復の意欲もでてきます。順番をまちがってはいけません。

とはいえ、いちおういくつかの弊害を紹介しておきます。栄養不良状態がつづくと、ストレス骨折や坐骨の骨折などのけがのリスクが高くなり、髪の毛や歯もおちるでしょう。命の危険にも晒されてしまいますー摂食障害の患者の自殺率は一般とくらべて非常に高いと言われています。

それと、あなたは摂食障害で苦しんでいます。苦しむのはよくないことですよ!

 

Q. 「再摂食」(re-feeding)ってなんですか?

A. 摂食障害治療の「食事をふやして体重をふやす」手法のことです。一般的基準では低体重と判断されなくても、再摂食が必要です。

ぼくも、最初に調べた時にとまどいを感じました。非常にやせているわけではないので再摂食の必要はないと思いこんでいましたが、それはまちがいでした。

「再摂食」は「体重回復」ともいいます。「体重回復」というと、決まったところまで体重を増やさないといけないというふうに聞こえるが、それもちがいます。精神的に回復するところまで体重をふやすのです。

体重が極端に低い方にとっては、専門家の監督なしに再摂食するのは危険かもしれませんーこれを体重をふやすのをこばむ口実にしないでください。このガイドは極端な低体重の人を対象にするものではありません。

 

Q. 心理的な空腹」(mental hunger)ってなんですか?

A. 頭の中で食べ物や食べ物と関係のあるものごとでいっぱいな状態のことです。

一部の人は、自分の食べたものを頭の中でくりかえし思い出したり、食べたもののカロリーや栄養価が頭からはなれなかったり、次は何食べるか常に考えたりします。

また、料理本やレシピー、スーパーに行くことに非常に熱心で、食べもしないのに頭の中で食べたいものの妄想をしたり、買うつもりのない食べ物をじっとみていたりする人もいます。

あるいは、ほかの人が何を食べているのか、体重がどれくらいなのかに非常に関心を持ったり、家族がたくさん食べているのか神経症的に心配したり、恋人に食事を与えることに夢中だったりするのも、心理的な空腹のうちです。

ぼくのばあい、心理的な空腹は身体的な空腹のかわりという役目をはたします。かってな推測ですが、身体的な空腹が食べる行為につながらないので、体がほかの手段も利用してぼくを食べさせようとしていたのです。もっと専門的には、脳のシグナルフィルタリング作用で心理的空腹が発生するという説があります。

ぼくにとって、食べ物が頭をはなれないのは飢餓状態のあらわしというのはおおきな気づきでした。ぼくは自分は「病気」だと思えたのはこの気づきのおかげでもあります。もし身体的な空腹を感じないのなら、心理的な空腹が発生したときに食事をとってみてください。

 

Q. 「エネルギー赤字」(energy deficit)ってなんですか?

A. 「エネルギー赤字」は、「食事を増やし、運動を減らし、体重を増やす」ことによって修正されます。

一日の中で、摂取カロリーより消費カロリーのほうが多かったら、その一日は「エネルギー赤字」だったということができます。理論上、体重が少し減るでしょう。

しかし一日という単位はあまり意味がありません。一週間も食事をとらず、その次の週大食いしたら、この二週間の間ではエネルギーの摂取と消費に差がないばあい、エネルギー赤字にはなりません。したがって、二週間前と二週間後とは体重はかわりません。二週間を、何ヶ月間、何年間、何十年間というタイムスパンに置き換えることもできます。

ということは、一人の人間は「長期的なエネルギー赤字」と「短期的なエネルギー黒字」という二つの状態を同時にもつことができます。たとえば、11日時点で65キロの人がいるとして、その人が71日には55キロになり、121日では60キロになったとします。一年間で体重が5キロおちたので、7月から12月までエネルギー黒字にあったにもいえるし、一年間のエネルギー赤字にあったということもできます。

個人的に長期的なエネルギー赤字のばあいには「体脂肪赤字」を、短期的なエネルギー赤字のばあいには「エネルギー赤字」という使い分けをしてほしかったのですが、でもまあ、経済学を学んだ人じゃないと、「水準」と「速率」の区別がしがたいかも知れません。

 

Q. 精神状態がよくなる前にわるくなったりしませんか?

A. これごもっともな質問です。ぼくも懸念していました。摂食状態からの回復では、食事や運動についてへんなルールからの解放、一日中食べ物のことばかり考えることの解消など、精神状態の向上を目指します。でも飢餓反応は無視されたことでしかえししたりしないでしょうか?

一部の人にとって、その答えはノー。体重が増えればことは対応しやすい方向にいきます。食事やルールにかんしてのルールがゆるくなり、食べ物についてえんえんと考えることも少しはへります。よって体重をさらにふやすことが比較的にしやすくなり、いつか症状も完全に消えるでしょう。

しかしもう一部の人にとっては、答えはイエス。飢餓反応が回復しようとする彼らにしかえして、ストレスをふやしてしまいます。食べることや体重増加、他人のコメントなどさまざまなことがストレスの原因になります。あまりいい状況ではないです。

そのストレスがこわいのはまったくおかしくなく、もともとこわいものです。しかし心配しないでほしいのは、その恐怖心にうちかつ必要などないです。回復に必要なのは多く食べ、運動を減らし、体重を増やすことです。そうすれば、恐怖もきえていきます。

 

Q. 回復はいいことしかないでしょうか?

A. 上の質問への答えのとおり、回復はいいことばかりではありません。

体重増加によるストレスもそうですが、回復にはとてもきもちのいいものとは言えないこともたくさんついてきます。ぼくが直面した問題をいくつかならべてみます。

一つ大きな問題は胃腸の不調です。慣れている量よりはるかに多く食べなければならないことは胃腸にとっても大きな負担になります。また、慢性的な飢餓や半飢餓状態は胃腸の動きを遅くしてしまい、消化のスピードの回復には時間がかかるばあいもあります。食事量を小分けしてとったり、消化しやすい栄養シェイクをとったりして、人々は対策をうっています。

もう一つの問題は原因不明な痛みです。程度の軽いいたみを体験する人もいれば、比較的に強烈な筋肉痛や関節痛にみまわれる人もいます。ぼくは数日間足のつりがあったが、それを何週間も体験した人もいます。浮腫による痛み以外、回復期間中に体がいたむ現象についてあまり研究がないようですが、とにかくしっかり休養することが大事でしょう。

睡眠の質が低下する人もいます。これは運動量の減少やカフェイン摂取・ストレス全般による可能性があります。睡眠不足で不安やイライラしやすくなるため、対策をうったほうがいいでしょう。ぼくはカフェインをうんと減らすことで睡眠の質を高めました。

一時的な不調があっても、回復をはじめて数ヶ月後には不調がやわらぎました(また最初の不調にのりきってよかったとも思いました)。このトピックについて、Rehabilitate, Rewire, Recover!Sick Enoughなどの本にはもっと情報がありますので、原文の「参考資料」のところをみてみてください。

 

Q. 摂食障害からの回復は性格の「いいところ」をなくしてしまうんでしょうか?

A. そんなことありません。そしてもし「いいところ」がなくなったら、また飢餓状態にもどればいい話です。

ぼくも自分の意志の強さや辛抱強さは、きびしい食事制限と運動をがんばってきたからこそ手に入れたもので、自分の健康やキャリアの成功には必要不可欠だとおもっていました。摂食障害を手ばなしたら自分は悪い親、悪い夫、悪い従業員になると思っていました。

しかしここに朗報です。摂食障害は脳の20%ほどのリソースを食事制限や運動に使っています。回復ののち、そのリソースを自分が本当に大事だと思っているものにさくことができます。回復はむしろあなたをよりよい親、よりよい配偶者、よりよい従業員にするでしょう。

一つ注意してほしいのは、摂食障害はもっともらしい価値観を利用して、自分を正当化しようとするものです。ビーガンやベジタリアンをするのが大事だと思うなら、ほかの方法で動物の権利促進をやってみてほしい。運転するより歩いたほうがいいという価値観を持っているのなら、ほかの方法で環境保護を頑張ってみてほしい。

自我免疫疾患の人に医者のいうことを無視してビーガンになるべきだという人はいません。足の不自由な人にスーパーまで歩くべきだという人もいません。飢餓反応が壊れている人も同様に無理しなくても許されます。

 

Q. 肥満は健康的じゃないはずでしょう?

A. 肥満は健康的じゃないです。しかし、食事や運動のきびしい制限をなおすことは肥満になると同等ではありません。完全な回復とは、食べ物について何一つ考えなくなると、よかれと思っていっている人もいますが、それは善意のうそだと思います。回復のあと、栄養や運動に気を配っても問題はありません。

とはいえ、肥満になりたくないことをいいわけに、回復期間で体重をふやさないようにするのはまちがっています。思っているより高めの体重までなってからようやく食事や運動についての執着がきえていくのが普通です。その後ダイエットしなくても体重は少しおちるはずです(上を参照してください)。これは実験や経験によっても証明されている現象です。一時的にBMI26とずっとBMI40にいるのは全くちがうことです。

BMIガイドラインは飢餓反応が暴走した人には適用されません。摂食障害にしがみついてBMI18(低体重)からBMI23(標準体重)までいったりきたりするより、BMI25(高体重)に安定したほうがずっと健康的です。

 

Q. BMI指数はデタラメだと思いましたが

A. BMI指数はデタラメです。専門家がよく使う概念なのでもちだしたまでです。BMI指数は合理的ではなく、物理的な意味をもたず、また身長の低い人や高い人、アスリートには適用しません。BMI指数はバカけたデタラメです。

回復の目標はBMI18.5(標準体重の中の低いほう)になることではなく精神状態の向上、つまり食事と運動のコントロールからぬけ出すことです。その目標の定義が曖昧でわかりづらいと思うのなら、とりあえずBMI22を目指してみてください。

 

Q. あなたは何者?なんでこれを書いたの?

A. ぼくは何者でもなく、ただのネットユーザです。ぼくは子供の時からヘンテコな食事制限や運動にこだわっていることには自覚していたのですが、まさか拒食症だとは思ってもみませんでした。拒食症って若いバレリーナさんがなるものでしょう?

何年も摂食障害について調べてきましたが、あまり役立つものに出会えませんでした。今ある摂食障害の情報は、若い女の子が対象で(ぼくは男です)、摂食障害はトラウマや子供の時に受けた虐待が原因だと主張します(ぼくにはないのです)。また、その治療は自分の外見や体を受け入れることに重点がおかれ(ぼくは別に自分の体がいやで拒食になったわけではない)、非常に体重の低い人に焦点をおいています(ぼくはBMI指数が低いがいちおう標準範囲内でした)。などなど。

拒食症についての一つの生物学的な解釈を読むことで、ぼくの意識がガラリと変わりました。実験であのヘンテコな食事制限と運動衝動を再現できるって?そして体重がもどったらそれらの行為もきえる?もっとはやくいってくれよ!

このガイドの最初のバージョンはぼくが回復に入って数週間のころに書きあげました。ぼくの回復にモチベを与えるようなことや専門家からかき集めてきた情報をまとめています。ぼくもネット上の見ず知らずな人にだいぶ助けられてきたので、その恩を伝えていけたらと思います。

 

参考資料

原文を参照してください。

https://sites.google.com/view/the-no-nonsense-guide/guide